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三菱ふそう キャンター 4P10エンジン DUONIC搭載オートマのギアが入らない。発進出来ない。シフトレバーは動く

またまた今回も私が大嫌いな三菱ふそうの4P10エンジン搭載のローザが入庫しました。

  • オートマチックトランスミッションのギアが入らないという症状が発生

今回はDUONIC搭載のオートマチック車のギアが入らず前進ならびに交代も出来ないという故障に対処した。

入庫時の状態はメーター内のギアのマークが赤点灯していてシフトレバーは動くがギアが入らないうえに発進できない。

マジで最近の三菱ふそうのキャンターは故障トラブルが多すぎ。

ということで今回発生した故障の症状をまとめると下記です

  • 朝にエンジンを始動して出発しようとしたけどシフトレバーは動くがギアが入らない
  • メーター内のギアのマークが赤点灯している
  • オートマチックトランスミッションからガラガラと異音がする
運営者のムーチョです。20年整備士をしている現役の自動車整備士です。
原因が分からないという人はこの記事を参考に解決してみてください。
実はDUONICの故障修理は今回が初めてなんだ。
だから少し不安だ。
DUONICのことについて整備士仲間に聞いてみたんだけど、DUONIC搭載車両の故障はディ―ラーに依頼する事が多いらしい。
ということで、まずはスキャンツールでオートマチック項目にアクセスしたところ現在故障コードが2つ入ってました。
  • 520708 7 トランスミッションへのニュートラルシフトシフトが出来ません
  • 520710 7  トランスミッションへのニュートラルシフトが出来ません

故障コード520708-7 トランスミッションのニュートラル・ポジションへのシフトはできません。

発生条件:ギアシャフトユニットレール1ニュートラル制御10秒継続

復帰性:スターターSW OFF⇒ON(ECUへの電源再投入)した時に正常信号になれば復帰

ECU制御内容:【車両停止判定以前】

  • クラッチ双方断保持
  • 当該レールギアシフトユニット制御中止
  • 当該レール以外N保持(目標ギア段N固定)
  • メーターギア段表示N点滅(P表示優先)
  • メイン制御部セーフモード保持(エンジン制御停止)

【ギアシフトユニットシフト位置所定(*)状態&車速情報異常無&車両停止を判定】

【車速停止判定後】

  • ギアプリセレクト禁止
  • 当該レールギアシフトユニット制御中止
  • 前進2nd,後進R-Hiによる走行継続

ウォーニング表示:ギアマーク橙

推定要因:アクチュエーターのハーネス不良・アクチュエーター不良・T/Mの不良・DUONIC ECU 不良

故障コード 520710-7 トランスミッションのニュートラル・ポジションへのシフトはできません

発生条件:ギアシャフトユニットレール1ニュートラル制御10秒継続

復帰性:スターターSW OFF⇒ON(ECUへの電源再投入)した時に正常信号になれば復帰

ECU制御内容

  • クラッチ双方断保持
  • 当該レールギアシフトユニット制御中止
  • 当該レール以外N保持(目標ギア段N固定)
  • メーターギア段表示N点滅(P表示優先)
  • メイン制御部セーフモード保持(エンジン制御停止)

ウォーニング表示:ギアマーク赤

推定要因:アクチュエーターのハーネス不良・アクチュエーター不良・T/Mの不良・DUONIC ECU 不良

ギアが入らない原因スプラインの摩耗によりオイルポンプが作動しない。

  • ギアが入らない原因はスプラインの摩耗により
  • オイルポンプが作動しない
  • ギアシフトユニットが作動しない

ミッション側のスプラインが摩耗していてオイルポンプが作動しません下記

今回の発生している故障コードの発生条件はギアシャフトユニットレール1がニュートラルで10秒継続が続いた場合に発生する故障コード。

ようはオイルポンプが動かないのでギアシャフトユニットレールが正常に作動せず。

10秒間シフトが入らないから故障コードが発生しているということでした。

ギアシャフトユニットは電気信号と油圧で制御している

ギアシャフトユニットの制御について詳しく書くとキリがないので解説はしませんが

DUONICのギアの入力は電気信号と油圧制御でシフトユニットを制御コントロールを行っています。

つまり電気ハーネスの異常、又は断線&油圧異常が発生するとギアは入らないというワケです。

というわけでミッションを下ろしてギアシフトユニットとバルブボデー・デユアルクラッチも念のために異常がないか点検しました下記。

エンジン側のダンパーはこんな感じ下記。

エンジン側のダンパーのスプラインの摩耗がヒドイ。

こんな状態ではポンプは正常に作動しませんね。

念のためギアシフトユニットを外してシフトレールの異常がないか点検しました。

シフトレールはスムーズに動いたので正常です。

バルブボデーとデユアルクラッチを外しスプラインが摩耗しているのか点検しました下記。

スプラインの摩耗がエグイですね。

M/T乗せ換えで解決した

今回の場合、各部悪いところだけの修理も検討しましたが、今後のトラブルも考えてM/T乗せ換えで解決しました。

最後にオートマチックトランスミッションの初期をして作業終了です。

お疲れさまでした。

DUONICは故障が多い

DUONICについて調べてみたらエンジン同様にDUONICは故障が多いらしい。

しかもスプラインの摩耗によりギアが入らなくなるという症状は多いらしい。

いちばん驚いたのは、DUONIC車はギアが入らない時に非常モードでギアを入れることが出来ないというクソっぷりにマジで驚いた。

その点、いすゞのエルフのスムーサーは故障が発生しても、非常モードでギアを入れるとが可能なのでエルフは凄く優秀ですね。

そんなわけでトラックを購入することがあった場合には私はキャンターは買わない。

エルフを購入するわって思ったりもした。

 

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