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【4P10型エンジン】三菱ふそう ローザのエンジンから異音がする原因は?

走行中・アイドリング中にローザのエンジンから異音が発生したら気になって運転どころではない。

運転に集中なんて出来ない無理。そんなわけで今回は三菱ふそうの4P10エンジンにトラブルが発生したから少しご紹介します。

今回の症状は下記。

  • アクセルを踏むたびにエンジンから異音
  • メーターパネル内の警告灯が点灯

ということでこの記事にたどり着いたということは異音の原因を探している人だろうと思うからこの記事を参考にして解決してほしい。

運営者のムーチョです。整備士歴20年で現役の自動車整備士です。

音の原因はオルタネーターのニードルベアリングが粉砕

さっそく結論から言うけど、異音の原因はオルタネーターのプーリー部のニードルベアリングが粉砕していたことが異音の原因。

オルタネーターを外してプーリ―を外してみるとニードルベアリングの状態は下記でした。

(ちなみに今回の車両の型式はTPG-BE640Jで総走行距離は80000キロを走行している)
ベアリングが砕けてたことによりキュルキュルと音が鳴り同時にプーリーが暴れてベルトがプーリーから脱落。
その結果、オルタネーターは発電することが出来なくなりメーター内の警告灯が点灯したという流れですね。

マイクロバスのエンジンルームは狭すぎる

三菱ふそうのローザに限らずマイクロバスのエンジンルームは狭すぎるてヤバイ。

もう狭すぎて目視では発見しづらい設計がもうウンコ。

とはいえ現役の自動車整備士として故障する前に異常個所を見つけたいからオルタネータを外す時は下記がオススメ。

  • 左右のフロントタイヤを外す
  • 左右の遮音ゴムを外す
  • エアクリーナーダクトを外す

以上の3点を実施するだけエンジンルームを超絶簡単に点検することが出来るからチャレンジしてほしい。

オルタネーター到達までの作業時間は10分で可能

ホンネを言えばタイヤは取りたくないジャッキアップはメンドウでやりたくない。

というのがホンネ。

だけど左右のタイヤを取り外したほうが作業時間は圧倒的に楽なんだ。

それにタイヤを取らない方法でオルタネーターを取り外すなんてマイクロバスの場合はほぼ不可能なんだ。

だから素直に左右のタイヤを取り外しオルタネーターを取りはずした下記。

プーリを手で引っ張ってみたけどプーリーはびくともしないし外れない。

ということでバールでこじってみてら見事に外れたからもう一度見て欲しい下記。

その流れから下記がテキストに繋がる下記。

 

オルタネーターベルトの状態

ご覧のようにオルタネーターのプーリーが酷いありさまだ。

もうベルトも正常であるわけがない、もはや原型が何なのか分からないぐらい状態になっている。

取り付けてあったベルトは下記のようにボロボロ。

オルタネーターに異常が発生するとメーター内の警告灯が全点灯する

オルタネーターのベルトが切れた時や、その他にもオルタネーター本体に異常が発生すると発電はしない。

つまり何が言いたいのかと言うと、オルタネーターが死んでいるからバッテリー電圧のみでエンジンコントロールシステムを起動。

その他の補器類を起動させている状態となるから

  • メーター内の警告等が全点灯する

簡単にまとめると下記なんだ。

  • メータ―の警告灯が全点灯した場合はオルタネーター系の異常が発生している

だから今回は発電系の故障を疑い診断をすすめていく。

症状のまとめ&作業内容と自分なりの対策と改善

  • エンジン始動時から異音が止まらない
  • メーター内の警告灯が全点灯している

故障診断しながら作業を開始

  • オルターネーターベルトがプーリーから外れていた

なんでプーリーがオルタネーター本体から脱落していたのか?ということだけど

  • ニードルベアリングが粉砕していたからプーリーが脱落

していたという流れ。

本来ならベルトを取りはずしてプーリー類のガタやベアリングの状態を確認するのがベスト。

だけど、そんなのは現実的じゃないムリ。

マイクロバスのエンジンルームは狭すぎて点検するにはトラックに比べると狭すぎる。

とはいえオルタネーターが故障すると最終的に路上故障になりかねない。

今回はオルタネータープーリーのベアリングが酷いありさまだったから鉄粉はオルタネーターを外さなくても確認できたはずだ。

ということで今後、同じような事が起きないように右フロントタイヤは取り外し、オルタネーターのベアリングの状態を確認したい。

ちなみに今回の車両はオレが点検を担当したわけじゃないんだけど、故障診断とオルタネーター交換作業を引き継ぐことになった。

そして無事に作業は終了しました。

4P10エンジンのクーラーベルトを張るにはSSTが必要

実はオルタネーター本体の取り付け&オルタネーターベルトの調整に至ってはオートテンショナーだったから簡単にできたんだけど、クーラーベルトの方は狭いくて手が入りにくい設計。

手がなかなか入らないしSSTが上手くプーリーに入らないからベルトが張りにくかったんだ。

だけど諦めずに頑張ったら下記のすき間から無事にクーラーベルトを張ることが出来た。

なんだかんだで無事に作業は完了したけど4P10エンジンはクーラーベルトの調整に苦戦する。

それにSSTがないとベルト調整が出来ないのがチョット残念。

ということで今回の故障の原因はオルタネータープーリーのニードルベアリングの不良によるプーリーの脱落。

結果的にベルトが外れて充電不良となりメーターの警告灯が点灯した。

そんなわけでローザやカンターで同じような症状になっている人は参考程度で修理を進めて行ってくれるとオレは凄く嬉しい。

今回の作業に必要なった特殊工具のSSTなんだけど、三菱ふそうの純正SSTは狭いところでは凄く使いにくい。

他に使いやすいSSTがないかな?ってしらべたらハスコからもSSTが販売されていた。

これなら狭いところでも使える。時間短縮のために次回の作業にハスコのSSTを利用したいと思ったりもした。

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