イスズ エルガの6HK1エンジンから異音と水の吹き替えという悲惨なエンジンを久々に目にした。
症状はというと、アイドリングの状態でラジエターのサブタンクにエンジンからの圧縮空気がボコボコと帰ってくるといった状態。
エンジン外部への冷却水の水漏れがあるのかな?とか思ったけど外部に水漏れ跡などない。
というわけでシリンダーヘッドを取りはずすことにしたから記事にします。
水の吹き替えしはノズルチューブが原因

ノズルチューブはもちろん交換する。
ノズルチューブとは燃焼室のパーツなんだ。インジェクターとシリンダーの間に挟まれている部品で熱や圧力からインジェクターやシリンダーを守る役割があるパーツ。
ノズルチューブの外周には冷却のためにクーラントが流れていて、オイルや水をOリングで水やオイルの漏れを防いでいる重要な部品。
今回はそのノズルチューブのOリングが劣化、結果としてでエンジンの吹き替えしが発生したって結論づけたんだけど。
その他にもバルブステムシールの劣化や2次EGRクーラーの詰まり・ロッカーアームのローラーが異常摩耗していた。
バルブステムシールの劣化が酷い
もはや説明するまでもないんだけど、バルブステムシールの劣化が酷いありさまで。
新品のシールと比較すると明らかに穴の違いに驚かされる下記。

バルブステムシールが劣化するとオイル下がりが発生する、そうなった場合はオイルが燃焼室に入りオイルも燃料と一緒に燃焼するから排気ガスからイヤな臭いがしたりする。
と同時に排気ガスが通る通路はススが溜まりやすくなりDPDマフラーならびにEGRクーラーが詰まる。
EGRクーラーが詰まっていて役割を果たせていない
EGRは1次と2次があり両方がススで詰まるんだけど、特に2次EGRクーラーはススの詰まりが酷い。

EGRクーラーの詰まりが酷いから少し掃除してみたけど、ススを全て取り除くことが出来ないぐらいススが酷い下記。

というわけで取り外したEGRクーラーススが詰まりすぎて使えないから切断してみた下記。

EGRクーラーはススが詰まりすぎると清掃不可、ってなわけじゃないんだろうけど。
清掃するとなると洗浄作業に何時間かかるか分からないので新品に交換します下記。

ちなみに新品のEGRクーラーはこんな感じになってるんだ下記。

エンジンの異音はロッカーアームローラーの異常摩耗
エンジンから異音がしていたので原因を探したところバルクリアランスがあまりにも過大すぎる。
6HK1のバルブクリアランスは0.4mmなんだ。だけどロッカーアームのローラーが異常摩耗していることで1センチほどのバルブクリアランスになっていた下記。

なぜにローラーが異常摩耗するかは分からないんだけど、異音の原因を突き止めることが出来たから一安心。
とはいえローラーの単体交換は出来ないから全替えした下記。

今回の作業をまとめていくと。
ヘッドガスケットの交換から始まり、ノズルチューブの交換・EGRクーラーの全交換・ロッカーアーム全替え・タペット調整と次から次へと作業が追加となった
というか、そもそもの話でタペット調整を定期的にしておけばここまで酷くならなかったという話。
DPDマフラーが煙を回収する
バルブクリアランスの異常やオイル下がりなどの時は、症状として排気ガスが異常なほど煙が発生するんだけど。
DPDマフラーが搭載されたことで煙が大気に放出されないから、今回のような重症レベルの故障を見逃しがち。
というわけでタペット調整を定期的にしてほしいって思ったりもした。
ちなみにDPDマフラーが詰まると、交換一択ではなく専用の洗浄液で洗浄し、最後に水洗いするという超簡単な洗浄時などもあったりもする。
ただし、洗浄するには3時間はかかるから冬の洗浄作業は凄くツライ。
洗浄液は低価格で洗浄できるから嬉しいところだけど、全交換が楽っちゃー楽って話。

こんな大変な作業となる前にメンテナンスをシッカリとしたほうが良いって思ったりもした。