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【NHR69 4JG2エンジン】イスズ エルフ バッテリーが上がる。充電しない&エアコンのスイッチを入れてもアイドルアップしない【解決済み】

  • 2025年7月13日
  • 2025年7月17日
  • イスズ

イスズ NHR69型のエルフのバッテリー上がりに対処したい。

今回はバッテリー上がりでユーザー自身がDIYで新品バッテリーに交換した、その後1週間ほどでバッテリー上がりを起こした車両だ。

冬にバッテリー上がりを起こすことも多いが、じつは夏にもバッテリー上がりは頻繁に発生する。

夏にバッテリー上がりを起こす原因は下記。

  • 主にエアコンの多用することがバッテリー上がりの原因

冷房をフルに稼働すると発電機(オルタネーター)やバッテリーにかなりの負担が掛かかる。

その他にも長時間のアイドリングで発電量が足りずない、消費電力が上回ることもバッテリー上がりの原因にもなったりもする。

整備歴20年の自動車整備士ジョンです。

エルフがバッテリー上がりを起こしたから車両を診断してほしいとのことで診断する。

記事に登場するエルフと同じような症状になっているなら参考にして解決して頂けると幸い。

新品のバッテリー交換から1週間でバッテリー上がりを起こすは何かがおかしい。
ということで診断を開始する。

バッテリーへの充電量は12.45Vと低すぎ

まずはエンジンを始動して充電量をサーキットテスターを用いて計る。
すると信じられないことにバッテリー充電電圧は下記だ。
  • バッテリー充電量は12.45V

充電量少なすぎだ、たしかに充電はしているけど充電量があまりにも低すぎる。

こんなに低い充電電圧ではバッテリー上がりを引き起こすのは当たり前だ。
バッテリーへの充電電圧は13V~14Vの電圧はあってほしい。
このまま12v充電のまま放置するとエンジンの再始動は不可となる。
ここでエアコンのスイッチを入れる。
するとバッテリー充電電圧は11Vまで低下した。(画像がなくて申し訳ないです)
とここで気がついた、エアコンのスイッチをいれているのにエンジンがアイドルアップしない。
ほんでもってアイドルアクチュエーターが動いてないことに気が付いた下記。

アイドルアクチュエーターが動いていない

  • アイドルアクチュエーターが動いてない

アイドルアクチュエーターはエンジンの暖気時やエアコンのスイッチを入れたら動き出すアイドリングを維持する装置。

正常ならエアコンのスイッチをいれるとアイドルアップするのに、アイドルアップしないので、なんか変だなと思いアイドルアクチュエーターを確認すると動いてない。

バキュームホースが抜けているのか?と思ったけど抜けてない。

じゃあなんで作動しないんだ?

って思ってバキュームホースをたどりインテークスロットルバキュームスイッチングバルブを見てみると、インテークスロットルバキュームスイッチングバルブが作動していない下記。

インテークスロットルバキュームスイッチングバルブも作動してない

  • インテークスロットルバキュームスイッチングバルブが動いてない

正常ならエアコンスイッチを入るとエアコプレッサーからの信号でインテークスロットルバキュームスイッチングバルブが作動しアイドリングが上昇するのに対し。

今はエアコんプレッサーをONにしてもインテークスロットルバキュームスイッチングバルブの端子に電気が全く来ない。

4JG2エンジンのエルフはアクセルワイヤーでアイドリングを調整している旧型のエルフ。

エアコンのスイッチを入れるとインテークスロットルバキュームスイッチングバルブが作動する仕組みなのに不作動だと下記。
  • 物理的にスロットルアクセルを引っ張りアイドリングを上昇させることが出来ない

ちなみにバキュームポンプは正常。

X-29のダイオードの不良

調べていくとインテークスロットルバキュームスイッチングバルブの電源回路はエアコンコンプレッサーからの電源で作動する仕組みという事が判明。

正常ならコンプレッサーからの電源は途中でダイオードを通り各ところどころに電圧を供給している下記。

というわけでバッテリーが上がった原因は下記。
  • ダイオードの不良によりインテークスロットルバキュームスイッチングバルブが不作動
  • エアコンスイッチを入れた時アイドリングが低下し充電不足となる。

回路図を見ながら電源電圧を点検する。

すると12V電圧を確認できるのでX-29のダイオードまでしか12V電圧を確認できない。

というわけでダイオードの不良の疑いが大いにアリということになりダイオードの場所はキャビンの下助手席の足元にある下記。

マジでダイオードが壊れるのか?

と自問自答を繰り返すが電気が来ないのだから故障していると信じる。

ダイオードを外して点検する。

車両についていたダイオードの抵抗値は0.472ですが果たして新品のダイオードの抵抗値は?

で、新品のダイオードが到着した。

新品のダイオードの抵抗値は0.478で少しだけ数値が少しだけ違う。

というわけでダイオードを交換すると下記。

というわけでアイドリングは上昇しバッテリーに充電を開始し始めた。
あとはアイドリングを細かく調整して作業は終了だ。
いかがだったでしょうか、無事に問題を解決してくれると幸いです。

今回の点検した箇所

今回のバッテリー上がりで故障診断した手順を箇条書きします下記。

  1. 各ヒューズの点検と80アンペアヒューズの点検
  2. アイドルアクチュエーターの作動確認
  3. インテークスロットルバキュームスイッチングバルブの作動確認
  4. バキュームホースのひび割れ
  5. エアコンコンプレッサーとインテークスロットルバキュームスイッチングバルブ間のハーネルの点検及び導通点検
  6. X-29ダイオード点検

今回、交換した部品

  • X-29ダイオード
  • インテークスロットルバキュームスイッチングバルブ

インテークスロットルバキュームスイッチングバルブ本体も作動不良を起こしていたので交換して作業は終了した。

お疲れさまでした。

ちなみにダイオードの価格は3800円程だ。

というわけで今回の作業は終わります。

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ダイオードの品番:8-94381730-3

 

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