イスズ NHR69型のエルフのバッテリー上がりに対処したい。
今回はバッテリー上がりでユーザー自身がDIYで新品バッテリーに交換した、その後1週間ほどでバッテリー上がりを起こした車両だ。
冬にバッテリー上がりを起こすことも多いが、じつは夏にもバッテリー上がりは頻繁に発生する。
夏にバッテリー上がりを起こす原因は下記。
- 主にエアコンの多用することがバッテリー上がりの原因
冷房をフルに稼働すると発電機(オルタネーター)やバッテリーにかなりの負担が掛かかる。
その他にも長時間のアイドリングで発電量が足りずない、消費電力が上回ることもバッテリー上がりの原因にもなったりもする。

エルフがバッテリー上がりを起こしたから車両を診断してほしいとのことで診断する。
記事に登場するエルフと同じような症状になっているなら参考にして解決して頂けると幸い。
バッテリーへの充電量は12.45Vと低すぎ
- バッテリー充電量は12.45V
充電量少なすぎだ、たしかに充電はしているけど充電量があまりにも低すぎる。

アイドルアクチュエーターが動いていない
- アイドルアクチュエーターが動いてない
アイドルアクチュエーターはエンジンの暖気時やエアコンのスイッチを入れたら動き出すアイドリングを維持する装置。
正常ならエアコンのスイッチをいれるとアイドルアップするのに、アイドルアップしないので、なんか変だなと思いアイドルアクチュエーターを確認すると動いてない。
バキュームホースが抜けているのか?と思ったけど抜けてない。
じゃあなんで作動しないんだ?
って思ってバキュームホースをたどりインテークスロットルバキュームスイッチングバルブを見てみると、インテークスロットルバキュームスイッチングバルブが作動していない下記。
インテークスロットルバキュームスイッチングバルブも作動してない
- インテークスロットルバキュームスイッチングバルブが動いてない
正常ならエアコンスイッチを入るとエアコプレッサーからの信号でインテークスロットルバキュームスイッチングバルブが作動しアイドリングが上昇するのに対し。
今はエアコんプレッサーをONにしてもインテークスロットルバキュームスイッチングバルブの端子に電気が全く来ない。
4JG2エンジンのエルフはアクセルワイヤーでアイドリングを調整している旧型のエルフ。
- 物理的にスロットルアクセルを引っ張りアイドリングを上昇させることが出来ない
X-29のダイオードの不良
調べていくとインテークスロットルバキュームスイッチングバルブの電源回路はエアコンコンプレッサーからの電源で作動する仕組みという事が判明。
正常ならコンプレッサーからの電源は途中でダイオードを通り各ところどころに電圧を供給している下記。
- ダイオードの不良によりインテークスロットルバキュームスイッチングバルブが不作動
- エアコンスイッチを入れた時アイドリングが低下し充電不足となる。
回路図を見ながら電源電圧を点検する。
すると12V電圧を確認できるのでX-29のダイオードまでしか12V電圧を確認できない。
というわけでダイオードの不良の疑いが大いにアリということになりダイオードの場所はキャビンの下助手席の足元にある下記。
マジでダイオードが壊れるのか?
と自問自答を繰り返すが電気が来ないのだから故障していると信じる。
ダイオードを外して点検する。
車両についていたダイオードの抵抗値は0.472ですが果たして新品のダイオードの抵抗値は?
で、新品のダイオードが到着した。
新品のダイオードの抵抗値は0.478で少しだけ数値が少しだけ違う。
というわけでダイオードを交換すると下記。

今回の点検した箇所
今回のバッテリー上がりで故障診断した手順を箇条書きします下記。
- 各ヒューズの点検と80アンペアヒューズの点検
- アイドルアクチュエーターの作動確認
- インテークスロットルバキュームスイッチングバルブの作動確認
- バキュームホースのひび割れ
- エアコンコンプレッサーとインテークスロットルバキュームスイッチングバルブ間のハーネルの点検及び導通点検
- X-29ダイオード点検
今回、交換した部品
- X-29ダイオード
- インテークスロットルバキュームスイッチングバルブ
インテークスロットルバキュームスイッチングバルブ本体も作動不良を起こしていたので交換して作業は終了した。
お疲れさまでした。
ちなみにダイオードの価格は3800円程だ。
というわけで今回の作業は終わります。
【今回のオススメアイテム】
ダイオードの品番:8-94381730-3