<

【NHR69 4JG2エンジン】イスズ エルフ バッテリーが上がる。充電しない&エアコンのスイッチを入れてもアイドルアップしない【解決済み】

エルフがバッテリーあがりでエンジンが始動が困難となり新品のバッテリーに交換。

そのあと数日後にまたバッテリーが上がってしまった。

整備歴20年の自動車整備士ジョンです。

今回のエルフの症状は下記です。

  • エアコンのスイッチを入れるとエンジンのアイドル回転が下がる
  • バッテリーへの充電電圧が低下し充電しない

バッテリー上がりの原因はエアコンのスイッチを入れるとエンジンのアイドル回転数が低下。

同じような症状になっているなら参考にして解決してほしい。

【結論】アイドルアクチュエーターが作動していないからアイドルアップしない

結論です。

  • エアコンのスイッチを入れてもアイドルアクチュエーターが作動しないからバッテリーが上がった

アイドルアクチュエーターとは簡単に説明すると、エンジンの暖気時やエアコンのスイッチを入れたら作動するアイドリングを維持する装置のこと。

通常、エアコンのスイッチをいれるとアイドルアクチュエーターが作動しアイドルアップしてエンジンの回転が低下するのを防ぐ。

つまり、アイドルアクチュエーターが作動しないと、エアコンのスイッチを入れるとエンジンの回転が低下して充電電圧が低下するという簡単な話。

何故エアコンのスイッチを入れるとエンジンの回転が低下するのか?

エアコンのスイッチを入れるとコンプレッサーは回るのがごくごく普通のこと。

エアコンのスイッチを入れるとエンジンに負荷がかかりエンジンの回転が同時に低下するのを防ぐ為の装置がアイドルアクチュエーターということになる。

つまりアイドルクチュエーターが作動していないということ下記なんだ。

  • エンジンはアイドルアップしない

と同時に充電もしない。

エアコンのスイッチを入れた時のバッテリーへの充電量は12.45Vと低すぎ

エアコンのスイッチを入れてバッテリー充電電圧を確認してみたところバッテリー電圧は下記。
  • バッテリー電圧12.45Vと低すぎ

たしかに充電はしているけど、せめて充電量は13V以上の充電電圧は欲しい。

12Vだと確実にバッテリーは上がってしまう。

充電量があまりにも低すぎるのでオルタネーターは正常なのか?と疑うけど、すでにオルタネータは交換済みです。

エンジンを始動してアクセルを踏み込むとバッテリーは13Vが充電されている。
つまり充電の機能は正常。
続いてエアコンのスイッチとヘッドライトのスイッチを入れてみると下記。
  • エンジンの回転が下がった
  • バッテリー充電電圧は11Vまで低下
ということで今回の充電しない理由と症状は下記
  • アイドルアップしていない

カーエアコンのスイッチを入れるとエンジンの回転数が下がる

カーエアコンはエアコンのスイッチを入れるとアイドルするもなんだ、だけどアイドルアップしない。

カーエアコンのスイッチを入れるとエンジン回転数が上昇する理由は下記。

  • エアコンが作動するとエンジンに負荷がかかり、それを補正するためエンジンの回転があがる
だけど、なぜかエルフのエンジンの回転数が全然上がらない。
むしろエアコンのスイッチを入れるとエンジン回転数が下がり、充電電圧を確認すると11V電圧と低くなる。

インテークスロットルバキュームスイッチングバルブが作動してない

インテークスロットルバキュームスイッチングバルブとは?電気信号で動き出すバキュームの切り替えスイッチのこと。

正常ならエアコンスイッチを入るとエアコプレッサーからの信号で、インテークスロットルバキュームスイッチングバルブが作動しアイドリングが上昇する。

ところがどっこい、現状はエアコンプレッサーをONにしてもインテークスロットルバキュームスイッチングバルブの端子に電気が流れてこない。

インテークスロットルバキュームスイッチングバルブはこんな部品なんだ下記。

エアコンスイッチを入れた時にインテークスロットルバキュームスイッチングバルブが作動しないと、アイドリングは下がりエンジン回転数が不安定になる。

4JG2エンジンのエルフのアイドリング調整はアクセルワイヤー式でスロットルを引っ張りアイドリングを調整している旧型のエルフです。

エアコンのスイッチを入れるとインテークスロットルバキュームスイッチングバルブが作動する仕組みです。
インテークスロットルバキュームスイッチングバルブが不作動だと物理的にスロットルアクセルを引っ張りアイドリングを上昇させることが出来ません。
インテークスロットルバキュームスイッチングバルブの位置は下記。

インテークスロットルバキュームスイッチングバルブまで電気が来てるか点検します。

するとインテークスロットルバキュームスイッチングバルブ電気が来てない。

もしかして断線してる?

X-29のダイオードの不良

調べていくとインテークスロットルバキュームスイッチングバルブ間とエアコンプレッサー間の導通は正常。

ただインテークスロットルバキュームスイッチングバルブ間とエアコンプレッサー間にダイオードの存在を発見!

ダイオードを通ると電気が流れないことに気が付きました。

回路図を見ながら電源電圧を点検していくとX29のダイオードに12Vの入力を確認できますが出力してません。

というわけでダイオードの不良の疑いの可能性大!

ダイオードの位置はキャビンの下助手席の足元です下記。

ダイオードって壊れるのか?って思いつつダイオードを外して点検します。

ダイオードが壊れるなんて初体験なんですが電気が流れないのだから故障していると信じたいです。

早速、車両についていたダイオードの抵抗値を計ります。

すると抵抗値は0.472です。

果たして新品のダイオードの抵抗値は?

下記が新品のダイオードです。

新品のダイオードの抵抗値は0.478とで少しだけ数値が少しだけ違います。

本当にダイオード壊れているのかな謎だらけですがダイオードを交換しエンジンを始動。

エアコンのスイッチを入れます。

すると・・・インテークスロットルバキュームスイッチングバルブのスイッチが入る音が鳴りスロットルを引きました。

アイドリングは上昇しバッテリーに充電を開始し始めたので安心しホッとしました解決しました。
電圧を計ると充電電圧は13.20V電圧も上がりました。あとはアイドリングを細かく調整して作業は終了です。
いかがだったでしょうか。無事に問題を解決してくれると幸いです。

今回の点検した箇所

今回のバッテリー上がりで故障診断した手順を箇条書きします下記。

  1. 各ヒューズの点検と80アンペアヒューズの点検
  2. アイドルアクチュエーターの作動確認
  3. インテークスロットルバキュームスイッチングバルブの作動確認
  4. バキュームホースのひび割れ
  5. エアコンコンプレッサーとインテークスロットルバキュームスイッチングバルブ間のハーネルの点検及び導通点検
  6. X-29ダイオード点検

今回、交換した部品

  • X-29ダイオード
  • インテークスロットルバキュームスイッチングバルブ

インテークスロットルバキュームスイッチングバルブ本体も作動不良を起こしていたので交換して作業は終了した。

ちなみにダイオードの価格は3800円程でした。

ダイオードの品番:8-94381730-3

追記

その他にもアイドルアップのための信号、つまりインテークスロットルバキュームスイッチングバルブの電源はダッシュボード上のリレーから電気が流れてくる。

ダイオードを交換しても症状が改善しないばあいはリレーナンバーX10とX12を点検してみてください。

X10とX12のリレーの場所はダッシュボード上部のフタを開けると見える下記。

古くなったリレーはスイッチの接点不良で電気が正常に流れなかったりもする。

実際にリレーが焦げてたりもする下記。

というわけで同型のエルフがアイドルアップしないという故障で入庫してきたときはリレーを疑って見るのもアリなんだ。

故障の原因はが分からない時、普段の仕組みを思い浮かべて想像してみてほし。

もしこうだったら?って推測することが大切。それでは今回の記事は終了したい。

ぜひ読んで欲しい記事

いすゞ エルフ NHR69 型 4JG2エンジン バッテリー上がり・エアコンのスイッチを入れてもアイドリングアップしない原因

最新情報をチェックしよう!

イスズの最新記事8件