4P10エンジン搭載の三菱ふそうのローザが走行中やアイドリング中にエンジンから異音が発生です。
その他にも下記の症状が発生しています。
- エアコンが効かなくなった
- メーターパネル内の警告灯が点灯
しているという怪現象も発生したから何がなんやらもう意味不明
今回の症状をまとめると下記になります
- アクセルを踏むたびにエンジンから異音
- メーターパネル内の警告灯が点灯
- エアコンの風出るけど冷気が出ない
この記事にたどり着いたということは異音の原因を探している人だろうから、この記事を参考にして解決してくれると嬉しい。
運営者のムーチョです。整備士歴20年で現役の自動車整備士です。
音の原因はオルタネーターのニードルベアリングが粉砕
さっそく結論からですが、故障の原因はオルタネーターのニードルベアリングが粉砕してました。
まさか異音の原因はニードルベアリングとは思いもしなかったのでチョットビックリ。
オルタネーターを外してプーリ―を外してみるとニードルベアリングがボロボロでプーリーも脱落しかけ。
オルタネーターまで10分でアクセス可能
三菱ふそうのローザに限らずマイクロバスのエンジンルームは狭すぎて手すら入らないのでオルタネーターの目視での点検が難しい。
今回の異音を発見にいたるまでは、今回はサイドカバーを取りはずしオルタネーターまでアクセスしました。
- オルタネーターまで10分でアクセス可能
よりスムーズにオルタネーターまでアクセスしたいので下記パーツを取りはずしました。
- 左右のフロントタイヤを外す
- 左右の遮音ゴムを外す
- エアクリーナーダクトを外す
上記3点を外すと目視でオルタネーターが確認できるうえに作業しやすいですね。(トラックならこんなことしなくて済むのにマイクロバスってホントにイヤ)
何度もいいますが10分程で各パーツをとり外したらオルタネーターまでアクセス完了です。
オルターネーターまでたどり着くのに手間はかかりますが、作業の邪魔になる部品は出来る限り外していた方が作業工程がスムーズにいき、最終的に時短へとつながります。
- 邪魔なパーツは出来るだけ外しましょう
ジャッキアップはしたほうがいい
ホンネを言うとホイールの増し締め作業がダルイので取り外したくないの、ジャッキアップはメンドウでやりたくないというのがホンネですが。
ローザの場合は左右のタイヤを取り外したほうが作業時間は圧倒的に速いので取り外しがオススメ。
ローザの場合、タイヤを取らない方法でオルタネーターを取り外すなんて至難の業!
マイクロバスの場合はフロントタイヤは左右外しましょう!
左右のタイヤを取り外したらオルタネーターまで無事にアクセスが出来るので信じてください。
ハイ。オルタネーターを取り外すことに成功しました下記。
取りはずしたオルタネータの様子が何だか変なので、よく見てみると何かが飛ぶ出している。
プーリを手で引っ張ってみたけどプーリーはびくともしないし外れません。
ということでバールでこじってみてら見事に外れたと同時に鉄粉がガサガサでてきたから私は驚きを隠し切れない。
オルタネーターベルトの状態はご覧のようなありさまで、オルタネーターのプーリーの状態も酷くて目も当てられない。
もはや原型が何なのか分からないぐらいベルトはボロボロ状態。もちろんベルトとオルタネーターは再利用はムリなので交換となります。
オルタネーターに異常が発生するとメーター内の警告灯が全点灯する
オルタネーターのベルトが切れた時やその他にもオルタネーター本体に異常が発生すると発電はしない
つまりオルタネーターが死んでる。
ということでバッテリーに充電することが出来なくなり充電不良でメーター内の警告等が全点灯するという流れ。
エアコンのコンプレッサーの電源はオルタネーター
エアコンのコンプレッサーの電源はオルタネーターから取っているのでオルタネーターが故障するとエアコンも利かないというカラクリです。
エアコンのスイッチはONはできるけど涼しい風が出でこない場合はオルタネーター本体に異常が発生しているからエアコンは効かない。
ぜひとも覚えておいてほしいです。
症状のまとめ&作業内容と自分なりの対策と改善
- エンジン始動時から異音が止まらない
- メーター内の警告灯が全点灯している
故障診断しながら作業を開始
- オルターネーターベルトがプーリーから外れていた
なんでプーリーがオルタネーター本体から脱落していたのか?ということだけど
- ニードルベアリングが粉砕していたからプーリーが脱落
していたという流れ。
点検の時に本来ならベルトを取りはずしてプーリー類のガタやベアリングの状態を確認するのがベスト。
だけど、そんなのは現実的じゃないですねムリです。
マイクロバスのエンジンルームは狭すぎて点検するにはトラックに比べると狭すぎる。
とはいえオルタネーターが故障すると最終的に路上故障になりかねない。
今回はオルタネータープーリーのベアリングが酷いありさまだったから鉄粉はオルタネーターを外さなくても確認できたはずだ。
ということで今後、同じような事が起きないように右フロントタイヤは取り外し、オルタネーターのベアリングの状態を確認したい。
ちなみに今回の車両は私が点検を担当したわけじゃないんだけど、故障診断とオルタネーター交換作業を引き継ぐことになりましたので作業させて頂きました。
そして無事に作業を終え充電確認終了です。
4P10エンジンのクーラーベルトを張るにはSSTが必要
実はオルタネーター本体の取り付け&オルタネーターベルトの調整に至ってはオートテンショナーだったから簡単にできたんだけど、クーラーベルトの方は狭いくて手が入りにくい設計。
手がなかなか入らないしSSTが上手くプーリーに入らないからベルトが張りにくい。
だけど諦めずに頑張ったら下記のすき間から無事にクーラーベルトを張ることが出来ました。
なんだかんだで無事に作業は完了したけど4P10エンジンはクーラーベルトの調整に苦戦しますね。
それにSSTがないとベルト調整が出来ないのがチョット残念。
今回の故障の原因はオルタネータープーリーのニードルベアリングの不良によるプーリーの脱落でした。
結果的にベルトが外れて充電不良となりメーターの警告灯が点灯した。
そんなわけでローザやキャンターで同じような症状になっている人は参考程度で修理を進めて行ってくれると私は凄く嬉しい。
今回の作業に必要なった特殊工具のSSTですが、三菱ふそうの純正SSTは狭いところでは凄く使いにくい。
他に使いやすいSSTがないかな?
ググったらハスコからもSSTが販売されていたので、これなら狭いところでも使える。
時間短縮のために次回の作業にハスコのSSTを利用したいと思ったりもした。