今回は三菱ふそうのローザが走行中やアイドリング中にエンジンから異音が発生。
さらにはエアコンが効かくなった・メーターパネル内の警告灯も同時に点灯しているという怪現象も発生。
今回の症状をまとめると
- アクセルを踏むたびにエンジンから異音
- メーターパネル内の警告灯が点灯
- エアコンの風出るけど冷気が出ない
記事にたどり着いたということは異音の原因を探している人だろうからこの記事を参考にして解決してほしい。
運営者のムーチョです。整備士歴20年で現役の自動車整備士です。
音の原因はオルタネーターのニードルベアリングが粉砕
さっそく結論から言っちゃうと故障の原因はオルタネーターのニードルベアリングが粉砕が今回の異音の原因。
オルタネーターを外してプーリ―を外してみるとニードルベアリングがボロボロでプーリーも脱落しかけ。
マイクロバスのエンジンルームは狭すぎる
三菱ふそうのローザに限らずマイクロバスのエンジンルームは狭すぎて目視での確認が出来ない。
もう狭すぎて目視では発見しづらいから今回はサイドカバーを取りはずしオルタネーターまでアクセスした。
スムーズにオルタネーターまでアクセスしたいけどローザのエンジンルームは狭すぎる。
そんなわけで各ところどころのパーツは外した方が作業がはかどるので下記を取りはずす事をオススメしときます。
- 左右のフロントタイヤを外す
- 左右の遮音ゴムを外す
- エアクリーナーダクトを外す
以上の3点を実施するだけエンジンルームを超絶簡単に点検することが出来るからチャレンジしてほしい。
オルタネーター到達までの作業時間は10分で可能
ホンネを言うとタイヤは取りたくない、ジャッキアップはメンドウでやりたくないというのがホンネですが。
左右のタイヤを取り外したほうが作業時間は圧倒的に超絶に楽。
それにタイヤを取らない方法でオルタネーターを取り外すなんてマイクロバスの場合はほぼ不可能。
イヤイヤながら左右のタイヤを取り外しオルタネーターまで無事にアクセスが出来たのでオルタネーターを取り外すことに成功しました下記。
取りはずしたオルタネータの様子が何だか変なので、よく見てみると何かが飛ぶ出している。
プーリを手で引っ張ってみたけどプーリーはびくともしないし外れない。
ということでバールでこじってみてら見事に外れたと同時に鉄粉がガサガサでてきてオレは驚きを隠し切れない。
オルタネーターベルトの状態
ご覧のようにオルタネーターのプーリーが酷いありさまだから、もちろんベルトも正常であるわけがない。
もはや原型が何なのか分からないぐらいボロボロ状態になっているので再利用はムリで交換となります。
オルタネーターに異常が発生するとメーター内の警告灯が全点灯する
オルタネーターのベルトが切れた時やその他にもオルタネーター本体に異常が発生すると発電はしない
つまりオルタネーターが死んでる。
ということでバッテリーに充電することが出来なくなり充電不良でメーター内の警告等が全点灯するという流れ。
エアコンのコンプレッサーの電源はオルタネーター
エアコンのコンプレッサーの電源はオルタネーターから取っているのでオルタネーターが故障するとエアコンも利かない。
エアコンのスイッチはONはできるけど涼しい風が出でこない場合はオルタネーター本体に異常が発生しているからエアコンは効かない。
是非とも覚えておいてほしい。
症状のまとめ&作業内容と自分なりの対策と改善
- エンジン始動時から異音が止まらない
- メーター内の警告灯が全点灯している
故障診断しながら作業を開始
- オルターネーターベルトがプーリーから外れていた
なんでプーリーがオルタネーター本体から脱落していたのか?ということだけど
- ニードルベアリングが粉砕していたからプーリーが脱落
していたという流れ。
本来ならベルトを取りはずしてプーリー類のガタやベアリングの状態を確認するのがベスト。
だけど、そんなのは現実的じゃないムリ。
マイクロバスのエンジンルームは狭すぎて点検するにはトラックに比べると狭すぎる。
とはいえオルタネーターが故障すると最終的に路上故障になりかねない。
今回はオルタネータープーリーのベアリングが酷いありさまだったから鉄粉はオルタネーターを外さなくても確認できたはずだ。
ということで今後、同じような事が起きないように右フロントタイヤは取り外し、オルタネーターのベアリングの状態を確認したい。
ちなみに今回の車両はオレが点検を担当したわけじゃないんだけど、故障診断とオルタネーター交換作業を引き継ぐことになった。
そして無事に作業は終了しました。
4P10エンジンのクーラーベルトを張るにはSSTが必要
実はオルタネーター本体の取り付け&オルタネーターベルトの調整に至ってはオートテンショナーだったから簡単にできたんだけど、クーラーベルトの方は狭いくて手が入りにくい設計。
手がなかなか入らないしSSTが上手くプーリーに入らないからベルトが張りにくかったんだ。
だけど諦めずに頑張ったら下記のすき間から無事にクーラーベルトを張ることが出来た。
なんだかんだで無事に作業は完了したけど4P10エンジンはクーラーベルトの調整に苦戦する。
それにSSTがないとベルト調整が出来ないのがチョット残念。
ということで今回の故障の原因はオルタネータープーリーのニードルベアリングの不良によるプーリーの脱落。
結果的にベルトが外れて充電不良となりメーターの警告灯が点灯した。
そんなわけでローザやカンターで同じような症状になっている人は参考程度で修理を進めて行ってくれるとオレは凄く嬉しい。
今回の作業に必要なった特殊工具のSSTなんだけど、三菱ふそうの純正SSTは狭いところでは凄く使いにくい。
他に使いやすいSSTがないかな?ってしらべたらハスコからもSSTが販売されていた。
これなら狭いところでも使える。時間短縮のために次回の作業にハスコのSSTを利用したいと思ったりもした。